テレビCM を出稿する際、必ず通らなければならないのが「考査」です。公共の電波を使って流すテレビCMの影響力は大きいため、正しいサービスや商材を提供していることや、テレビCM自体の表現の正確性や倫理性が求められます。視聴者に誤解を与えるようなCMを放送しないためにも、考査を必ず受けなければなりません。
本記事では、CM考査の目的と内容、判断基準を中心に、考査について紹介します。また、業態審査・表現考査についても詳しく解説します。
テレビCMの考査の目的は、視聴者を誤った情報や倫理観に欠けた表現から保護すること、そしてテレビというメディアの価値の維持・向上です。テレビCMは正確かつ信頼できる情報でないといけないため、一定の基準となる考査を設けているのです。
厳しい審査であるテレビCM考査(CM審査)ですが、広告主にとってもメリットがあります。一定の基準を満たしたテレビCMを流せるということは、テレビというメディアに出稿できる費用の潤沢さ、そして公序良俗に反していない、クリーンなイメージを視聴者に与えることができるのです。
テレビCM考査(CM審査)は、広告主の企業や商材・サービスの内容が適切であるか、テレビCM内の表現が正確性や倫理性を保っているかということに焦点を当てて行われます。考査の基準は主に下記の3つです。
なお、基準を満たしているかを判断するのは、各テレビ局の考査部、またはテレビ局が依頼した第三者機関です。
テレビCM考査は大きく下記の2つに分かれます。
業態審査は広告主の企業業態や商材・サービスを審査し、表現考査はテレビCM内の表現内容を審査するものです。表現考査だけを指して、CM考査と呼ぶこともあります。
本記事では各考査の内容、審査にかかる期間、提出を求められるものについて詳しく解説します。
業態審査とは、テレビCMの広告主の企業の業態や、提供している商材・サービスを審査する考査です。「業種」「商法」「商品」の3つの観点から審査を行っています。
科学的根拠を示せないような業種の広告は、基本的に考査に通りません。たとえば、占いや霊媒などです。
取引の実態や権利が不明瞭な商法を行っている場合、考査に受かることはないでしょう。たとえば、マルチ商法や催眠商法などです。
商品自体が関連する法令に抵触している場合、業態審査を通過できません。
いずれも各放送局や民放連が発行している放送基準を確認すれば、テレビCM制作前に判断ができます。判断が難しい場合は、弊社へご相談ください。
提出物は、テレビCMの放送を希望するテレビ局や広告主の業態によって異なります。たとえば、キャンペーンやイベントを行う場合は、その詳細を記載した書類を追加で求められることがあるため、あらかじめ用意しておくとよいでしょう。
制作を予定しているテレビCMの内容が分かる資料を求められる場合もあります。テレビCM制作は、広告代理店が主体となって進めるため、CMの内容に関する資料は広告代理店に用意してもらいましょう。
業態審査にかかる期間は、テレビ局によって異なります。1~2週間で完了する局もありますが、民放キー局5社(日本テレビ・テレビ朝日・TBSテレビ・フジテレビ・テレビ東京)では1~2ヶ月ほど見ておいた方がよいでしょう。
表現考査では、放送予定のテレビCM内の表現が公序良俗や法律に違反していないか、視聴者の誤解を招かないかをチェックしています。
表現考査は2段階で行われることがほとんどです。映像素材などを絵コンテに合わせ、秒数を指定して繋ぎ合わせたオフライン編集(仮編集)の段階で1回、音の調整まで完了したオンライン編集(本編集)の段階で1回行われます。新規に撮影した素材などがなく、すでに完パケ(放送できる状態にしたもの) しているデータがある場合は、2回目のオンライン編集(本編集)の考査のみで済む場合もあります。
表現考査では、テレビCMの内容が真実であること、視聴者にとって利益をもたらす(不利益にならない)ものであることが求められます。テレビCMは繰り返し放送され、不特定多数の視聴者にリーチするため、与える影響も大きいとされています。そのため、テレビCM内に視聴者の誤解を招く表現などがあれば、テレビでの放送にふさわしくないと判断されてしまうのです。とくに注意すべきは、下記のようなCM表現方法です。
虚偽の表現はもちろん、「最大」「世界初」などの誇張・誇大表現もNGです。化粧品や健康食品の広告で「絶対に効果が出る」などの表現をすることも禁止されています。サービスや商材に関連する、下記のような法律に抵触していないか、あらかじめ広告主・広告代理店側でも確認しておきましょう。
テレビCMの内容が基準に抵触している場合、内容や表現、演出を変更する改稿を求められることもあります。受理されるまでに何度もCMを修正する必要が無いよう、テレビCMの制作は広告代理店へ依頼しましょう。
表現考査に必要なものについては、実際のCMの映像やナレーションなどの素材だけでなく、絵コンテや演出コンテ、原稿、表現や演出の根拠となる資料の提出が求められることに注意しましょう。根拠資料には、商材・サービスの調査分析の結果データやキャンペーン・イベントなどの詳細、価格表などがあたります。CMの素材は広告代理店、根拠となる資料は広告主が用意するという形が一般的です。
CMの内容にもよりますが、表現考査にかかる期間はだいたい1週間程度です。テレビ局の考査部だけでは判断が難しく、局内の関係部署や行政などの外部機関に確認しなければならない場合などは、1ヶ月ほどかかることもあります。
CM出稿までの流れにおいて、考査はどこに位置付けられているのでしょうか。まずは、CM出稿までの大まかな流れを図で紹介します。
もしCM考査(CM審査)を通過できなかった場合、そのテレビCMは放送できません。テレビ局ごとの内規が定められているため、同じテレビCMでもテレビ局によって放送の可否が異なる場合があります。行政処分を受けた企業からのテレビCMは1年間受け付けていないテレビ局もあるため、事前に広告代理店とともに確認しておきましょう。
考査に落ちなくとも、改稿を要求された場合の修正には追加の費用と時間がかかります。経費削減のためにも、考査に通過したテレビCM制作の実績を多数持つ広告代理店へ依頼しましょう。
運用型テレビCMに特化したノバセルは、考査を通過したテレビCMの実績を多数持っています。下記がその代表例です。
テレビCMに関わる考査は、企業や商材・サービスを審査する業態審査と、テレビCM内の表現をチェックする表現考査です。いずれも各テレビ局や民放連の放送基準、関連する法令にしたがって、厳しく審査されます。考査には時間がかかることもあるため、余裕をもって申請することも大切です。
ノバセルには、多数のテレビCMを制作してきた実績があります。すべてテレビCM考査に通ったものです。この実績とノウハウを活かし、考査を通過できるテレビCMをご提案します。テレビCMの出稿をお考えなら、ぜひノバセルへお気軽にお問い合わせください!